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応援ありがとうございます! 羽生結弦展
■ ↑ 連日大盛況、長蛇の行列の日本橋高島屋8階ホール
4月11日(水)から「羽生結弦展」が日本橋高島屋8階ホールで開催されている。羽生結弦選手が2008年に全日本ジュニア選手権で初優勝した時から、2月の平昌大会で五輪連覇を達成するまでの10シーズン、読売新聞社カメラマンによって撮影された100点以上の渾身の報道写真が中心に展示されている。
このコラムでご紹介するのは、羽生結弦選手が競技会で実際に身に纏った衣装の展示用ボディを製作することによって、私たちが羽生結弦選手という稀代のフィギュアスケート選手の身体のカタチに出会い、人の身体のカタチを創ること・演出することについて、新しい貴重な体験を得たエピソードである。
羽生結弦選手が競技会で着用した衣装を展示することになり、当初は、マネキンが選ばれた。マネキンは顔があり、腕や脚にポーズが付いているものが多い。羽生結弦選手は世界中の人を感動させたゴールドメダリスト、みんなが彼の顔や姿形のイメージを脳裏に焼き付けている。既成のマネキンでは衣装を着せた時に彼らしく見えない・・・というところから、最初に株式会社ジールアソシエイツ様(http://www.zeal-as.co.jp/company/)から問い合わせが来た。羽生選手の衣装を製作している技術者がキイヤの裁断用ボディを使っていたのである。その後、トルソの開発は株式会社アガサスさん(http://agasus.co.jp/)に引き継がれ、読売新聞社の皆さまご支援を得て完成にこぎつけることができた。
キイヤ造形課は、服を作るためのボディと、服を演出するためのボディを作っている。いつもからだのカタチを観察しているのが彼らの仕事である。からだのカタチとは、幅、厚み、長さと周径値などの数値、そして姿勢。その他、筋肉の付き方、骨格など、いろいろな情報を集約し、一つの最適なカタチに作り上げる。
弊社が所有している既存の基型から適切なボディが選ばれて大々的にカスタムが行われた。張り子を切り開いて体幹部の厚みを薄くし、下半身は、さらに細く作り、胴体を上下でドッキングした。そのようにして出来上がったのが、ご覧のように、鍛えられた筋肉がヒップから脚部についていて、しかもそれがエレガントな羽生選手の姿形。
一週間の突貫作業で、4着の衣装を展示するために4体の羽生結弦選手用のトルソが完成した。
羽生結弦選手は、非常に細身、特に鍛え抜かれた体は厚みが薄い。これは余分な脂肪がついていないということと、おそらく毎日の鍛錬で、競技の特性と羽生結弦選手が目指す演技を可能にする、身体のカタチを作り上げたのだと考えられる。女性的な細身の体型ではなく美しい男性的なプロポーションでありながら。身長やサイズからイメージされる一般的な日本人男性とは全く異なる、美しい身体のカタチ。
手前にあるのは子供用のトルソ。7歳用のトルソを衣装にフィットさせるために大腿部にカスタムを施した。お客様のイメージに少年時代の羽生結弦選手の姿がよみがえっていただけるだろうか。
イベントスタート前日の午後、ようやく納品できたトルソに衣装が着せられて、読売新聞社の皆様もほっと一安心されたことでしょう。納期に間に合って、トルソも満足していただけたようです。
張り生地をボディに正確に沿わせて仕上げるのがキイヤ製のトルソの特徴。衣装の展示を見に来ていただいたお客様たちのイメージを邪魔しないように、自然で、控えめなオブジェとして内側から羽生選手のからだのカタチを支えている。
写真は、日本橋高島屋での開催直前の搬入時のもの。高島屋さんの担当の皆さんが丁寧に衣装を扱ってトルソに着せつけるのをキイヤ営業部の斎藤と、造形課の鶉がお手伝いをさせていただいた。連日大盛況で、日本橋高島屋では4月23日まで、8階ホールで展示とグッズの販売、1階でも羽生結弦選手関連の商品が販売されている。
応援ありがとうございます!「羽生結弦展」は、4月23日(月)まで日本橋高島屋8階ホールで。
その後、下記のように8月20日まで6か所で開催される。
日本橋高島屋 4月11日(水)〜 4月23日(月)
大阪高島屋 4月25日(水)〜 5月7日(月)
京都高島屋 5月9日(水) 〜 5月21日(月)
新潟伊勢丹 6月13日(水)〜 6月25日(月)
藤崎百貨店(仙台) 6月28日(木)〜 7月3日(火)
ジェイアール名古屋高島屋 7月19日(木)〜 7月30日(月)
横浜高島屋 8月8日(水) 〜 8月20日(月)
詳しい情報は、こちらからお願いいたします。http://yomiuri-photo.com/yh/